切れるハサミは楽しいし、美しい仕事もできる。そんな手助けが僕の仕事です。京都はさみ職人 オオタトシカズ

研磨実績 ナルト 27目逆刃

逆刃の場合、刃を殺します。

“殺す!”って、

 きゃ~

  こわーい!

って話です。

ナルト 27目逆刃を研ぎました

ハサミDATA

櫛刃:27目 棒刃:ハマグリ刃 笹刃
ネジ
出っ張りタイプ
ハンドル
シンプルなオフセット

はさみ職人's EYE

セニングの新品や研ぎたてのトラブルに

「開閉したら、(刃と刃がケンカして)すぐ閉じなくなった!」

「(刃は鋭いんだけど)毛が折れて切れない。」

というのがあります。

 どんな上手に職人でも、こういったことはあります。

 経験の差ですね。

 どれだけ使い手と真剣に向き合っていたか?の経験です。

 というのは、置いておいて・・・

なぜ?ケンカしたか?なぜ?毛が折れるか?

実はセニングの場合、

一度きれいに研いで、わざと刃を殺して切れないようにします。

なぜか?

こうしないと、

刃と刃がケンカして、閉じなくなってしまうからです。

スムーズな開閉をさせるために、

わざと切れないようにしているんです。

刃を殺せば殺すほど開閉はスムーズになります。

ですが!

殺すほど切れなくなります。

やりすぎると、

刃は鋭いんだけど、毛が折れて切れなくなります。

なので、やりすぎ注意です。

ちなみに押切のクセの強い人は、多少刃を殺しても「刃と刃をケンカさせて閉じなくなる」ことが多いです。

そうなってしまうと、

「このはさみは不良品だ!」と言われます。

売っている(作っている)方は、

「それは問題のある使い方だ。」と思います。

が、お客様と売っている方ではお客様が勝つので仕方ないです。

なので、

問題が起きないように

刃を殺しまくります・・・・(物騒な表現ですが)

そうすると、押切の人向けにはトラブルにならないです。

しかし、

普通に教科書通りに使う人にとっては、切れないです。

 

まあ、セニングにはこんな問題があります。

で、

逆刃のセニングの場合は、この問題がより大きく出ます。

つまり少し押切のクセがあると、刃と刃のケンカをさせやすいです。

 

ちなみに、

セニングで開閉すると音がなるというのがあります。

刃と刃が当たる音です。(そうでないケースもあります)

だいたい、こういったケースだと音はするけど、よく切れる状態です。

この原因はあまり刃を殺していないからです。

刃を殺せば音は小さくなります。

しかし、切れ味は悪くなります。

ほどほどがいいですが、使い手のクセも大きいので、その人に合った刃を作ることになります。

ということで、経験があるといいよ!って話です。