切れ味(こつこつ)

コツコツ切れる

コツコツと切れる、切れ味がとは、、、

写真は、

こつ、、、

こつこつ・・・

ってことでとんこつラーメンです。

なんで?純粋のとんこつラーメンではなくて、醤油とんこつなんだ!という話は置いておいて、切れ味の話をすすめます(笑)

 

こつこつ切れるというのは、

毛を一本ずつしっかりと切っていくイメージです。

 

これは厚切りした時は、そのような感覚は感じなくて、

比較的薄くとって、繊細に切っていくイメージです。

 

刃付けとしては、

比較的鋭く、毛が逃げないような感じですね。

 

この記事を読んでくださったアナタ!

一週間以内にラーメンが食べているでしょうね(笑)

(ハマ系)ハマグリ刃って何?

ハマ系(ハマグリ刃・段刃・剣刃)

カマ系(カマ刃・直刃・柳刃・笹刃)

 

ハマグリ刃

金太郎あめを切るように、

はまぐり刃を切るとこのような断面図になります。

オレンジのわずかなRがふっくらしているのが特徴です。

ハサミでハマグリ刃とは、

ハマグリみたいな形の刃です。

あさりにも似ているいますし、しじみにも似ていますね。(笑)

 

いいとか、あまりよくないとか、

よく切れるとか、そうでもないとか、、

いろいろとあるかもしれませんが、

基本的に刃の形状(ハマ系)で、切れ味が変わることはないと考えています。

刃付け次第でかなり変わるからです。

同じハマグリ刃のハサミで、

鋭い刃付けをすることもできます。

また、鋭くない鈍い刃付けをすることもできます。

 

刃の形状と一口に言っても、2種類あって紛らわしいです。2グループあります。

1.ハマ系(ハマグリ刃・段刃・剣刃)

2.カマ系(カマ刃・直刃・柳刃・笹刃)

 

 

 

 

 

切れ味(ザクザク)

ザクザク切れる

金銀財宝がざっくざくぅ~のザクザクですが、

ザクザク切れるというのは、

ある程度力が必要だけど、

その力に見合った感じで力強く切れるという雰囲気です。

毛をしっかりつかんで、

逃がすこと無く、切り進むといった感じでしょうか。

昔の

「ステンレス」と書かれているハサミにこういった切れ味のものが多いです。

どちらかというと、

柔らかい鋼のハサミがこんな切れ味になりやすいです。

こういった切れ味が好きな方も多いかと思います。

が、切れなくなるのは早い場合もあります。

ハサミのハンドルとは

ハンドル

 

手で持つところ、指穴があるところ。

一般的には、柄と呼ばれます。

あしと呼ぶ人がいますが、マニアックなひと、または製造するひとです(笑)

ハンドルの種類(メガネ・オフセット)

ハンドル写真の上がメガネ、指穴がそろっています。
使っている人は美容師さんに多いです。
指穴が比較的大きいせいか安定して持つことが出来にくいですが、反面持つときの自由度が大きく、いろんな持ち方ができるのでいろいろなカットがしやすいと言われています。

下はオフセット、指穴がずれていて親指の穴の位置が前のほうにあります。
使っている人は、美容師さん、理容師さん、トリマーさんです。
人間工学的に持ちやすい並びです。そのため持ったときに安定させやすいです。

どちらがいいということは、ありません。
好みです。

鋼材の話(サビ)

ハサミのサビ

「ハサミは錆びたら、使えません」

 

当たり前ですが、ハサミの刃が錆びると、切れなくなります。

普通に使っている範囲であれば、ほとんど錆びることはありません。

 

しかし、

錆びることがあります。

 

それは、

1.歯ブラシ建てに、歯ブラシと一緒に置く

実際にあった話ですが、洗面所の歯ブラシと一緒に置いて置いたそうです。

(正直、なぜだか?意味がわかりませんが、、、)

確実にサビます。

 

2.海から近い

塩害です。

自転車などはサビてぼろぼろになりますね。

ハサミもステンレスと言えど、潮風には弱いです。

室内で使っていても、それなりに影響がでてしますようです。

対策として、小まめに水分などを拭きとるとか、油をさすなどをするといいと思います。

 

3.長期間放置

もし、何かしらの理由で現場を離れ、ハサミを使わないのであれば、

汚れをとって、水分をしっかり取り除いて、

オイルまみれ!くらいにしておくと錆ないかと思います。

3ヶ月以上、放置ならオイルまみれ、オイル漬けがいいと思います。

 

4.汚い

汚いハサミはサビが出ています。

 

5.もともと錆びやすい

今のハサミは錆びにくい、ステンレス刃物です。

が、昔のハサミは基本的に錆びやすい刃物でした。

 

ちなみに

もし、サビてしまったら、研ぎに出してください。

サビたままでは使えないからです。

研ぎに出すと、サビの部分が切れるまで削られてしまいます。

しかし、サビがあれば使い物にならないので、仕方ないです。

ハサミの場合、意外とサビは深くまで入っているものです。

1

注意しましょう。

じゃあ。また!

 

鋼材の話(粘り)

粘り

こんにちは

今回は粘りの話です。

硬い鋼でも、粘りがあります。

「しなり」同じような意味です。

 

例えば、

日本刀は粘りがあるのでいいので、刃物としては優秀です。

 

粘りがあると刃こぼれが少ないです。

永切れします。

 

粘りというのは、

針金で、

手で折り曲げようとして何度も曲げると折れますが、

すぐ折れるのが粘りがなくて、

なかなか折れないのが粘りがあります。

 

消しゴムでいえば、

白の消しゴムは粘りがあって、

砂消しゴムは粘りがありません。

 

ボールで言えば、

ゴムのスーパーボールは粘りがあって、

どろ団子のボールは粘りが無いです。

 

なんとなく、わかったようなわからないような、、、感じですが、続けます(笑)

 

ハサミの場合、全体的に硬いので、粘りなんて関係ないようです。

しかし、

刃というのは、鋭くて指で触れると切れそうな感じです。

この先端に粘りがあると永切れします。

粘りがないと刃こぼれします。

 

ハサミは、開閉のたびに、動刃と静刃がケンカするような構造です。

そのため、粘りがないとすぐ切れなくなりやすいものです。

 

ばいばい

じゃ。また!

鋼材の話(HRC)

ロックウェル

こんにちは

オオタです。

どちらかというと、女性が好きです。

さて、

今回はHRCについて

ハサミの鋼ということでいくと、

硬さが切れ味を左右する要素のひとつになります。

つまり、

柔らかいと切れなく、硬いとよく切れます。

ちなみに、硬いと脆(もろ)いです。

脆いとハサミの鋼としては、すぐ切れなくなるのでNGです。

脆いというのは、あなたの心と同じで、ちょっとした衝撃などでガラスのように崩れてしまうという意味です(笑)

まあ、鋼鉄のような心のかたもいらっしゃいますが、、、。

 

ハサミの鋼というのは、

硬くて、粘りがあるといいです。

 

で、

今回のHRCですが、

硬さを表す単位です。

ロックウェル硬さとか、HRC硬度とか言います。

 

これをどうやって測るのかというと、

簡単に説明すると

ダイヤモンドの針みたいなものを刺して、その深さで測ります。

だいたい0~70くらいの間だそうです。

刃物の場合は55~68くらいかと思います。

最近の理美容のハサミは、60以上で硬いです。

昔のは60以下も多かったと思います。

なので、

ベテラン理容師さんが

「昔のハサミは研いでいたけど、最近のハサミは硬くて砥げない」

とおっしゃるわけです。

 

ダイヤモンドは100ですね。

このHRCですが、

アメリカのロックウェルさんが考えた硬さを表す単位で、工業規格になっています。

 

で、

最後にお姉さんの写真ですが、

ロック→岩→壁→壁に寄りかかるドレスの女性ってことで、

多少関係性があります(笑)

じゃ。また!

鋼材の話(モリブデンコバルト鋼)

1

今回は「モリブデンコバルト鋼」について調べてみました。

かなり独断と偏見にまみれた内容となっています(笑)

モリブデンというのは、

鉱物です。

地中に埋まっている石です。

その特徴は、熱に強い、、、

つまり、鉄だと1583℃で溶けるそうですが、

これが2623℃でやっと溶けるそうです。

この特徴を別の言い方にかえると、「熱の影響を受けにくい」という表現になります。

例えば、ハサミはピカピカ磨くときに、熱がどうしても出てしまいます。

熱に弱いとそのたびに刃が弱くなってしまいます。

が、熱に強いので弱くならないということです。

他にもいいことがありそうですが、、、、

切れ味にどの程度影響をあたえるのか?

正直、よくわからいないです。

なぜなら、ハサミの切れ味は、

鋼材と造りと刃付けのバランスによって決まるからです。

 

コバルトというのは、以前に説明しましたが、理美容の大半のハサミに入っていますね。

 

そうそう。

説明が遅れましたが、

モリブデンは体に必要な栄養素で、

枝豆にたくさん入っているようです。

なので、「枝豆とビールの写真」です(笑)

 

 

鋼の話(ハイス鋼)

ハイス鋼

写真は、美女(?を想像させる)写真です。

顔がないから、

美女かどうかはかわりませんね。

でも、

勝手に美女だと思い込んでしまう、、、、

男とは、そんな単純な生物なんだと思います。

 

さて、

ハイス鋼とは、

ハイ(high)で

スピード(speed)な

鋼(はがね)のことです。

つまり、

高速回転用の鋼です。

 

木を切るというよりは、鉄やステンレスなどの硬いものを切るための鋼です。

ホームセンターに行って、鉄工用のドリルとなると、このハイス鋼が材料ですね。

 

特徴は、

・熱に強い。

・硬い。

です。

どの程度、熱に強くて、硬いのかは、何と比べるかによりますが、昔の鋼と比べると圧倒的に強いです。

 

で、

ハサミの材料としてのハイス鋼ですが、、、

(ハサミに「ハイス鋼」と彫刻されているハサミですが)

特に特徴を感じません。

たぶん最近のハサミはみんなハイス鋼だからかも、、、と思っています。

 

 

 

鋼材の話(スウェーデン鋼)

スウェーデン鋼

スウェーデンって、国の名前です。

スウェーデン鋼がスウェーデンで作られた鋼かどうか?

ということを調べてみましたが、いまいち答えがわかりません。

意外と違うんじゃないか?なんて思っています。

(思っているだけです(笑))

 

さて、

今回はスウェーデンの話です。

日本のハサミのなかで、

スウェーデン鋼のはさみは、たくさんありません。

私の感覚では、海外メーカーのある一社だと思っています。

で、

そのハサミですが、

基本的によく切れて素晴らしいハサミだと思います。

研いで感じるのは、意外と「簡単に研げる!」です。

別の言い方をすれば、「簡単に削れる」です。

簡単に削れると、加工しやすいので思い通りになりやすいというメリットがあります。

硬い毛を切るのと、柔らかい毛を切る違いに近いかもしれませんね。

 

さて、

研ぐときは研ぎやすいですが、

簡単に削れるということは、逆に摩耗が進みやすいということでもあります。

包丁などの一本の刃物の場合、大根とか、包丁より柔らかいものを切りますね。

ハサミの場合も毛を切りますが、2枚の刃のため同時にもう一枚の刃と擦れ合うのです。

動刃と静刃が開閉のたびにふれるのです。

たくさん擦れ合うほど、すり減り切れなくなります。(←ここ重要)

だから、毛を切らずに、空はさみしているだけで切れなくなります。

 

で、

この鋼は、すり減りやすいのかなあと感じます。

 

感覚としては、

昔使った、、、砂消しゴムみたいな感じです。

細かい砂の粒がたくさんくっついたようなイメージです。

 

だからって、

使っているときにボロボロと刃がこぼれるようなことはないですよ!

切れ味(サクサク)

サクッ

こんにちは

オオタです。

切れ味がサクサクだから、柵の画像を考えました。

が、

なかったので、桜の画像です。

さわやかな春を感じさせる、きれいな桜ですね。

さて、

「サクサクという切れ味にしてほしい」というハサミの研ぎのリクエストは、多いです。

サクサクとリズミカルに心地よく切れるハサミというのはいいですね。

刃付けとしたとき、

私の目指すところも、ここです。

刃付けの好みをおまかせ頂いた時、サクサクと切れるようにしたいと考えています。

実際は、

そうなってくれるハサミもあれば、

そんな感じ、、、くらいのハサミもあります。

サクサクというのは、

よく切れるということですが、

ほんのわずかに、毛が逃げて優しくきれる感じだと考えています。

どのくらい毛が逃げるのかが、ポイントになります。

これは使う人の好みによるところが大きいですね。

 

ハサミの刃元

刃元

 

ハサミの刃元は、刃のネジよりのところです。

そんなこと説明しなくても、みんな知っていますね(^_^)

刃元の特徴として、

・刃先に比べて、力強く切れる。
・刃元に行くほど、すべりやすい。

ということがあります。

そんなことも説明するまでもなく、みんな知っていますね。(^_^)

では、

もしかしたら、

知らないかもしれない話。

私たちがはじめに使っていた、小学校のときの文房具ハサミ、、、

これって、

基本的に、あまり切れないです。

なのでダンボールを切る時など、

親指を深く入れ押し出すように切るクセがあります。

このクセのまま、

理美容のハサミと使うと、「押しグセ」になります。

押しグセが強いと、、、

ハサミに跡というか、傷というか、、ができます。

これが出来る場所が、刃元です。

 

 

切れ味(スパっと切れる)

切れ味

今回は切れ味について

かなり文字に表現しにくいテーマです。

写真は、フランス人シェフですかね、、、ちょっと怖いです。

さて、

スパっと切れるについてです。

スパっと切れるというと、大した力が必要なく、一瞬で切り落とすイメージです。

ハサミの場合、開閉がよりスムーズで、早い感じがします。

硬い切れ味というよりは、柔らかく切れる感じです。

パネルとは

パネル

出っ張りのあるネジについている、板のような金属のこと。

イタバネという呼ぶこともある。

平らな板のもの

弧の字に曲がっていてバネの役割をしているもの

があります。

また、

このパネルがあるために、ネジの開け閉めでカチカチと音がなるものとならないものがあります。

また、

このパネルのためにアソビが大きくあるものとそうでないものもあります。

また、

パネルがなくても問題ないものと緩みやすくなってしまうものがあります。

まぁ。

イロイロあるっていう、話です(^^)

ベアリングが入っているといい?!

1

正直に言います。

営業マン「ベアリングが入っていると、高く買ってもらえます。」

美容師「開閉がしやすいですね。」

研ぎ屋「それベアリングが効いてませんよ」

どれも正しいです。

1.ベアリングが入っていると高価

ベアリングが入って、高価になるハサミは多いです。

3つも入っているから、10万以上するのは当然だ!

という意見もあると思います。

なんてったって、ベアリングが入っていると、

良さそうで少年の魂がワクワクしてきますよね。

2.開閉がしやすい。

そもそもベアリングは、摩擦を減らすための部品です。

自転車の車輪の軸のところとかに入っています。

ハサミには入っているものと、入っていないものがありますね。

そして、

ベアリングがあるために開閉がしやすいです。

が、そうでないものもあります。

3.悪い感じに入っているベアリングの入ったハサミ

「しょうがない」ですかね?

多くの研ぎ屋さんが感じていると思いますが、

「ベアリングが入っていないハサミのほうがいい」です。

それは、

・ベアリングが入っていても、ほとんど効果がない。

・ベアリングが入っていても、全く効果がない。

・ベアリングが入っていて、逆に悪い。

ということがあります。

このベアリングって、

たまにサビが出ているものがあります。

扱いが悪いのか、あまり使わずに放置していたかわかりませんが、

錆びてしまうと、逆に開閉がスゴく重くなってしまうことがあります。

こうなると簡単には治らないですね。

また、ベアリングが入っているために、先端に力がないというハサミもあります。

これは造りの構造的な欠陥ですね。

せっかく、高価なハサミを買ったということで、切れるのを期待しているとは思うんですが、、、

こういうのは、研ぎの良し悪しではどうすることもできないですね。

また、

研ぎ込んでくると、急に刃先が切れなくなるパターンもありますね。

「あれ?研ぐ人が腕が落ちた?」って感じると思います。

でも、

ベアリングを取れば、普通になります。

研ぐ立場からすれば、

お客さんのハサミだし、

わかっていても部品をとるという決断はしにくいものです。

もちろん、構造的にきちんとしているメーカーもあります。

「不思議なハサミ、、、」のメーカーさんもそうですね。

刃中

刃中

黄色のところが刃中です。

刃の先が刃先で、

刃の元のほうが刃元、

で、

その間が刃中です。

あまり使われませんね。

だからこそ!

「あの~刃中が切れにくい、、、」みたいなことを

言うと、

おっ!このひとハサミを知っている人かも!

って思われて、一目置かれるんじゃないでしょうか!

ちなみに、

上手なひとって、

刃中をうまく使う人か

もしれません。

というのは、

刃先ってどうしても使わないわけには行かないので、

上手に使うのは当たり前で差がつかないので、

(もちろん、差はあるのでしょうが。)

あまり使わない、刃元とか刃中が重要になってくる気がします。

ちなみにセニングは、刃元は使わない方がいいです。

鋼材の話(ステライト)

ステライト

ステライトとは、コバルトがたくさん入った金属です。

調べて見ると、鉄砲にも使われているそうです。

ってことで、水鉄砲の写真です(笑)

もう少し詳しく調べてみると、

ステライトは、アメリカのデロロステライト社の社長が発明した金属です。

耐蝕・・・さびない
耐摩耗・・・すりへらない
耐熱・・・暑さに強い

に優れたものです。

だから、一秒間に何発も打てる機関銃に向いている金属です。

で、

このアメリカの会社の金属を、

日本の三菱系の金属会社で販売してました。

だから「三菱ステライト」と呼ばれていたそうです。

で、

業界再編か、なにか、

わかりませんが、

今は、

日立金属社で販売しています。

名前も「ビジライト」という商標です。

そんなことは、

さておき、

ハサミではどうか?です。

磁石にくっつかない!

「磁石につきません。すごいです!」

って言うハサミ屋さんがいるそうですが、

あまりハサミには関係ない要素ですね(笑)

永切れする

鋼材としては、すり減りにくいです。

永切れしやすいです。

ただ、ハサミの良し悪しとしては、

・鋼材
・つくり
・刃付け

のバランスで決まります。

刃付けをしにくい

「すごい長切れするから、いいよ」

って言われて買ったんですが、

すぐ切れなくなります。

ということがあります。

これは、刃付けがしにくいからです。

鋭すぎる刃付けをすると、

はじめはよく切れますが、

すぐ切れなくなります。

切れるけど、シャキッとしない、、、みたいな感じです。

なぜ刃先が切れなくなるか?

刃先

まずは、刃先の説明から。

と言っても、

「常識っしょ!」

という声が聞こえてきそうです。

刃の先端。

先っちょです。

または、ハサミの刃のネジから遠いところです。

刃先の特徴として、

1.刃元に比べて、繊細に切れる。
2.刃元に比べて、よく切れない
3.刃先に行くほど、毛が切るときすべりにくい。

ということがあります。

なぜ、刃元に比べて、刃先が切れなくなるのが早いのでしょう?

「刃先を良く使うので、刃先が良く切れなくなる。」

と言う話があります。

やはり使う立場の方からすれば、

「良く使う=消耗が激しい」ということになるかと思います。

確かにそういった一面もあります。

例えば、

刃先がよく切れないというハサミでは、

刃先に小さな刃こぼれがあることが多いです。

何かの拍子で、

刃こぼれをさせてしまったのだと思います。

例えば、

・コームをかんだ!

・シザーケースで隣のハサミにぶつけた!

・開いたまま台に置いた!

・硬いホコリやゴミのついた毛を切った

などです。

逆に、

とてもキレイにつかったとします。

ハサミの構造を考えたとき、

同じようにダメージを受ければ、

刃元や刃中より、

刃先が切れないのです。

刃先のほうが力が伝わりにくいからです。

「てこの原理」です。

鋼材の話(スーパーゴールド鋼)

スーパーゴールド

「スーパーゴールド」という鋼があります。

これは武生特殊鋼という会社の製品です。

HPによると、

「刃物の四大条件を網羅した超々高級刃物鋼」です。

これは、粉末鋼系です。

素人にはわからない、特殊な技術が詰まっていそうです。

ハサミを研ぐ人としてみると、

硬すぎて、なかなか普通の砥石に乗りません。(削れない)

たぶん、理美容ハサミの専門にやっているところ以外は、研げないということで、断られるような硬さです。

ダイヤモンド砥石で研ぐので問題無いですが、

普通の砥石だとほぼ不可能かと思います。

大事に丁寧に使えば、かなり永切れするのではないでしょうか。

切った感じも、毛に負けること無く、どんどん進む感じが好きです。

鋼材の話(超微粒子粉末鋼)

粉末

超微粒子鋼とか、

粉末鋼とか、

英語だと、マイクロパウダーですかね。

粉を集めた鋼ってことです。

詳しくはわかりませんが、調べてみると、

——————————————————

細かい鉄粉を型に入れて、圧力を加え、押し固め、加熱してつくります。

これを「フンマツヤキン」と呼ぶそうです。

漢字では「粉末冶金」と書きます。粉末のチキンでなく、ヤキンです。

——————————————————

ポイントは、鉄粉と一緒に炭素や銅・ニッケル・モリブデン・マンガン、コバルトとかを混ぜあわせるのです。

それぞれの分量で、硬いものとか柔らかいものとか、いろいろな鉄の特徴を作ります。

理美容のハサミの鋼であれば、

・硬さ

・粘り

があるといいですね。

「超高級用刃物用の鋼」ということです。

理美容のハサミも、この超高級刃物です。

研いで思うことは、

このハサミは、とても硬いので研ぎにくいです。

なかなか削れません。その分摩耗性が高いということで、永切れするというメリットがあります。

実際、永切れします。

もちろん、落としたら、どんな材料でもすぐ切れなくなります。

研ぎ専門店からすると、ちょっとした商売妨害の鋼です(笑)

ドライカット用のハサミの注意点

ドライカット

ドライカットは、乾いた毛のカットのことではありません!!

重要なので、くりかえします。

ハサミ選びで、ドライカットは乾いた毛をきることではありません。

ハサミ選びでは、ドライカット=ストロークカットとスライドカットです。

ハサミの世界で言うと、

ストローク・スライドなどハサミを動かす使い方と、

ブラントなどでハサミを動かさない使い方と、

刃付けを替えます。

(もしかしたら、替えないところもあるかもしれませんが、

 引っかかりが少なく、変えた方が使いやすいです)

では、乾いた毛をブラントで切るときは、なにかっと何だ?

ハサミ選びの正解で言えば、ブラントです。

このときハサミに求められるのは、

 ・毛が逃げない。

です。それで優しく切れて、永切れしてくれるとよりいいです。

では、濡れた毛をスライドさせて切るカットは?

ハサミの世界であれば、スライドカットです。

このとき、ハサミに求められるのは、

 ・ひっかからない。食いつきが少ない。

です。どちらかというと、ブラントの反対です。

ちょっと複雑だと感じるかもしれませんが、

優秀なハサミ屋さんを見つけて、使い方など相談に乗ってもらうといいですね。

ハサミの寿命について

「ハサミに寿命はありますか?」

意外とよく聞かれる質問です。

シンプルな質問ですが、だからこそ奥が深い、、、すごく深い質問だと思います。

□シンプルな回答

寿命はあります。

悪いハサミほど、早く寿命がきます。

□複雑な回答

複雑バージョンの回答です。

ハサミの寿命はないです。

昔のハサミはありました。

あなたが生まれる前くらいのハサミです。

50年前のハサミは、ハガネと軟鉄と貼りあわせて作られていました。

着鋼」という技術ですね。

このハサミは、研ぎ込むとハガネがなくなります。

この時が寿命でした。

しかし、今のハサミは、刃全てがハガネです。

どんなに小さくなろうと、ハガネなので、切れます。

なので、寿命はないです。

□より複雑な回答

さらに複雑バージョンの回答です。。

このHPを見てしまうような、

とても勉強熱心なアナタ向けにお伝えします。

または、

おしりをかきながら、

ビールを片手に、たばこを吸っているアナタも大丈夫です(笑)

(そうでないかたは、読むと分けわかんないので、読まないで下さい。)

ハサミの寿命があるか?という質問ですが、

プロの理美容師さんのレベルというと、

複雑で、いろいろ確認しながらすすめる必要があります。

まず、

プロレベルの

切れる切れないの確認です。

プロのハサミが

切れないというのは、

よく切れないので、「仕事にならない・・・」という意味ですよね!

毛が折れてしまって全く切れない・・・ということでなくて、

無理すれば、切れる・・・くらいですよね。

で。

このプロレベルでみたとき、

寿命はあります。

通常、研ぎに出すと、切れ味は100%復活するものです。

(まあ、

 中には100%でなくて、

 200%よくなったり、

 50%だったりあるかもしれませんが、、)

はじめ100%復活していたのが、

研ぎ込むと、100%でなくて、80%くらいになります。

80%くらいだと、我慢できると思います。

更に

研ぎ込むと・・

切れなくなる時期が早くなります。

例えば、

新品に近い頃の場合。

はじめ・・・切れるハサミは、やっぱり仕事が早くていいなあぁ。

2週間後・・・オオタさん、いい仕事してくれたね。ビンビンきてるよ!

1か月後・・・絶好調でないけど、まあこんなかんじだろう・・・

2ヶ月後・・・まあまあ・・・

3ヶ月後・・・まあ

4ヶ月後・・・違う、、、切れるけど違う、、、

6ヶ月後・・・早く研ぎたいなあ・・・研ぎたいけど粘るか・・・

寿命間近になったときの場合

はじめ・・・切れるハサミは、カットがうまくなった気がして、サイコー

2週間後・・・オオタさん、相変わらずいいね。

1か月後・・・まあ、使えば切れなくなってくるよね

2ヶ月後・・・ハガネが、弱くなってきているのかなぁ・・・

3ヶ月後・・・あれぇ!!? もう終わり?

ポイントは、ハガネが弱くなってきているのかも?と感じるところです。

実際は、

ハガネが弱くなってきているというよりは、

ハサミの作りがヘタっているイメージです。

んー。わかりにくいですね。

例えば、

自転車でも長い間使っていると、

サビがでて動きが弱くなったり、

タイヤが減ってきたり・・・そういういったイメージです。

専門的に言えば、裏刃が広がっていてウラスキが浅くなっている状態です。

この状態だと、開閉が重くなったりしています。

対策は、オーバーホールです。

ハサミのオーバーホールみたいなことをすると、新品レベルに復活します。

「じゃあ。

研ぎ込んで、

針みたいに細くなっていても、

復活するんだな?」

って、

言っちゃうアナターーーーーーーーー!!

はさみとして使うより、

小さな穴を明けて、

針として使いましょう(笑)

鋼材の話(コバルトスペシャル)

スペシャルな笑顔

武生特殊鋼というメーカーさんの商品です。

V金10号の上位の材料です。

上位だからっといって、

ハサミに適しているか?というと、わかりません。

感覚としては、

硬いです。

よく切れます。

が、

粘りが足りない気がします。

が!!!!

気のせいかもしれません。

というくらいの差だと思います。

実は、同じ鋼材でも、調理の仕方で変わってきます。

「調理???」って思った方!

いい?ですね。

ハサミの材料となる鋼材は、ピザと同じように窯で焼きます。

これを焼き入れって言います。

一度高温にしておくと、硬くなっていい感じの刃物になります。

焼いたら、冷やします。

茹でたソバを冷たい水で、冷やすして、締めるように、、、。

その後、

また少し温めます。

金属として、少し粘りがでます。

粘りがあると、折れにくいです。

刃全体が折れなくても、刃先の細いところとか、薄いところが折れないといいです。

「刃こぼれしにくい」ということになります。

どのくらいの温度で、

どのくらいの時間焼くのか?

さらにどのくらい冷やすのか?

また、どのくらい温めなおすのか?

奥が深すぎます、、、。

 

さて、

冒頭の写真ですが、

子供の笑顔は特別だよねぇ・・・・ってことで、

「スペシャル」つながりからのチョイスでした(笑)

じゃ。また!

鋼材の話(コバルト)

コバルトブルー

コバルトというと、

「コバルトブルー」とイメージする人も多いと思います。

それがハサミに入っている?

どういうことだ?

実は、コバルトブルーは、「アルミン酸コバルト」のことらしいです。

これを発明したのがヨーローッパの科学者です。

あまりに鮮やかな青が特徴で、絵の具とか、陶磁器とかに使われています。

さて、

ハサミの方ですが、

ハサミのコバルトが青か?

普通に銀色ですね。

もともとのコバルトの色は、銀色だそうです。

さてさて、

コバルトは、大きく2つの意味があります。

A.鉄にコバルトが入っている合金

B.コバルトにクロムが入っている合金

Aは、刃物としての合金です。

いわゆる最近の鋼の大半は、コバルトが入っています。

Bは、ステライトと言われています。ステライトと商標です。

錆びなくて、すり減りにくいのが特徴です。

刃物用のものは、タロナイトという商品名だそうです。

あるメーカーが純コバルトと表記していました。

Aと間違いやすいので、わかりやすいようにそう名付けのかもしれませんね。

動刃とは、

動刃の説明

上の写真では、下の刃。

動刃は、親指を入れる方の刃です。

理美容ハサミの開閉の基本は、

静刃を動かすことなく完璧に止めます。

動刃のみを動かせます。

つまり親指だけの動きで髪を切ります。

そうすると、まっすぐ切りことができます。

(「うちは正刃の方も動かして切るんだよ」というサロンもありましたが、珍しいケースです。)

直刃(チョクバ)とは、

直刃

まっすぐな刃線の刃を直刃といいます。

その仲間には、

刃中がえぐれているのが、鎌刃。

少し膨らんでいるのが、柳刃。

もっと、膨らんでいるのが、笹刃です。

開くと、こんな感じです。

直刃開いているところ
開いている直刃

まっすぐだと、毛が逃げにくいです。

ブラントカットやチョップカットなどがしやすいものです。

毛を切った感じは固めです。

 

なんか

オチがないけど、きっとそれは写真が真面目過ぎたからだと思います。

 

段刃(ダンバ)とは

段刃(ダンバ)

段刃(ダンバ)の段は、二段の段です。

刃全体が2段になっているような形の刃です。

別名二段刃とも、呼びます。

三段でも、三段刃とはいいません。

一般的に三段腹は、メタボです(笑)

金太郎飴を切るように、

ハサミの刃を切った断面図が、上の写真です。

ハマグリ刃がふっくらしているのに対して、段刃は平らです。

平らなの刃ということで、平刃(ひらば)と呼ぶこともあります。

刈り上げをするときに、動刃が櫛と平らに当たるので、ブレないというメリットがあります。

薄刃タイプのものが多いですね。

この図、清水さんに作っていただきました。とてもわかりやすいですね!

鋼材の話(V金10号)

ブイブイ言わせている女性

武生特殊鋼というメーカーさんの商品です。

HPによると、

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いろいろな刃物にマッチした適応鋼種を選ぶ場合、要求される性能も多様化してきました。しかし、その基本となる条件は現在にいたっても何ら変わることはありません。
V金10号の高級ステンレス刃物鋼は、厳選された純度の高い原料鉄を用い、最高の精鋼技術で作られ、靱り強く、加工性、鍛造性にすぐれています。しかも有害不純物に起因する腐食性もなく、また耐摩耗性にすぐれた諸性質は弊社の「V鋼」刃物鋼シリーズの一大特徴となっています。

V金10号は上記の特徴を持つ原材料に種々の合金元素を添加して形成されています。
Cr 15%,, Mo 1%, Co1,5%を添加したことで、素地(マトリックス)を強化し、炭化物の脱落防止効果を一層高めています。
Vの添加によって組織を微細化すると共に、これらCr, Mo, Vの元素は硬い炭化物を多量に作るので、耐摩耗性は一段と向上し、刃物の永切れが持続します。
被削性は良好で刃研ぎが容易です。V金10号は高温焼き戻しでの二次効果が現れるので、約450℃までの表面コーティング処理を施すような刃物にも最適です。

C Cr Mo V Co
V金10号 1.0% 15,0% 1.0% 0.2% 1.5%

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難しいですね。

これも素晴らしい鋼です。

今この鋼が使われているハサミも多いと思います。

この説明を読んで感じたのは、

「Vの添加によって組織を微細化する、、、、Cr, Mo, Vの元素は硬い炭化物を多量に作る」

という部分で、

Vの添加は微細化するんだ!と思いました。

Vというのは、バナジウムの元素記号ですね。

(見たことないですが、、)

(バナジウム水は飲んだことありますが、、)

(よくわからないですが、、)

(笑)

「これを混ぜると微細化する」という意味についてです。

普通に見ると、ハサミって鉄なんです。

でも、よーく見ると、

スポンジみたいに、スカスカしている(イメージ)です。

微細化は、このスカスカがより小さい感じになっている(イメージ)です。

そのため、すり減りにくくなります。

実際、砥石で研いでいて、なかなか減りません(笑)

大きい刃こぼれがあるハサミを研ぐときは、時間がかかりますね。

研いでいて、長切れする鋼なんだろうなあ、、、って感じます。

 

で、

最後に写真の説明です。

V10の関連ということで、、、

「ブイブイ言わせている女性」ということで、

Vつながりでした、、、今回は強引すぎたか?(笑)

 

じゃあ。また!

鋼材の話(V金1号)

右手がVの女性

V金1号とは、武生特殊鋼という、理美容のハサミ材料に強いメーカーさんの鋼です。

HPによると、
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刃物は古代より人が手にした最初の道具であり、生活に密着して今日にいたっています。しかし、切る対象が食物の場合、また刃物が人体に触れる種類のものである場合、刃物に「錆」が付着していては不快にも感じ、食物も美味しくいただくこともできないでしょう。
かくしてユーザーからの要求に応じて、ステンレス製の刃物が登場して久しく成りますが、当初は切れが悪いと悪評を買いました。そのわけは、刃物に適したステンレス鋼が無かったからです。
そのような不満を解消する刃物鋼として ”V金1号” が生まれました。V金1号は弊社の誇る数々の「ステンレス刃物鋼」シリーズの基本となる材質です。

不純物の少ない良質の原料を使用し、最新の製錬技術を駆使して鋼塊が作られます。組織は緻密で靱性が高く、火作り鍛造が良好、熱処理も容易で、しかも耐食性にすぐれたステンレス刃物鋼です。

V金1号で作った刃物は、 1) 硬い  2) ねばり強い  3) 摩耗しない  4) 錆びない
この刃物の4大条件を具備しています。

V金1号はC量を1.0%含有しているので素地には硬い1次および2次炭化物が共存しており、耐摩耗性に寄与しています。
14% Cr量を含有して耐食性や強度の向上に最大効果を発揮します。
MoはCrと共に硬い複炭化物を形成し、耐摩耗性の向上、ならびに耐食性の向上に大きく寄与します。
用途は、理美容鋏、厨房用包丁、食品工業用機械刃物等々、幅広い分野でご使用いただいております。

C Si Mn P S Cr W Mo V Ni Co
V金1号 0.95-1.05 0.5以下 0.5以下 0.03以下 0.03以下 13.0-15.0 – 0.2-0.4 – 0.25以下 –

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素晴らしいです。

開発当時は、とても素晴らしい鋼だったと思います。

きっと理美容鋏の歴史に刻まれていると思います。

その後、いろいろな研究開発があったのでしょう。

今は、より硬くて、粘りがあって、摩耗しにくい鋼がでてきています。

 

で、

この写真のチョイスした理由ですが、

女性の右の腕がVの形だったから、、、

Vつながりです。

ピースのVサインではなくて、腕がVの写真のところがいいでしょ(笑)

 

じゃあ。また!

 

セニングとは、

セニングとは、すきばさみのことです。

毛をすいて、髪の毛の量を少なくします。

毛量の調整ってやつです。

毛流の調整というものあります。

クセのつよい毛にセニングを使って、クセを弱めます。

セニングには、正刃と逆刃があります。

これが正刃です。
正刃のセニング

詳しくは、正刃の説明をみてください。

これは、逆刃です。
逆刃のセニング
詳しくは、逆刃の説明をみてください。

□ハンドル

ハンドルはオフセットとメガネがあります。

□カット率

櫛刃の形状により、カット率が大きく変わります。

カット率は%で表します。カット率30%なら、100本の毛にセニングで切ると30本切れるという意味です。詳しくはカット率の説明をご覧ください。

□長さ(サイズ)

カットシザーには、いろいろな長さがありますが、セニングは限られます。

メインは6インチです。世の中の90%以上は6インチと考えてもいいと思います。

割合は、97%が6インチ、2%が5.0~5.5インチ、1%が6.5インチくらいのイメージです。

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