切れるハサミは楽しいし、美しい仕事もできる。そんな手助けが僕の仕事です。京都はさみ職人 オオタトシカズ

研磨実績 SHEEMA HI-TEC KN-POWER

かっこいいハサミです。

『これ以上研ぎでは直らない、切り方クセがあるのでは?』

と言われたハサミです。

SHEEMA HI-TEC KN-POWERを研ぎました

ハサミDATA

7インチのオフセット

刃は剣刃。

ネジは埋め込みタイプ

ハンドルは穴のあるオフセット。

はさみ職人's EYE

185-1毛がすべって逃げやすいので買ったところに研ぎに出しても変わらなかったそうです。

『これ以上研ぎでは直らない、切り方クセがあるのでは?』

と言われたそうです。

もしかしたら、営業さんから研ぐ職人さんにまで、コメントが伝わらなかったのかもしれません。

確かにすごい特殊な使い方で研ぎでは直らないということもあります。
(例えば、押し癖が強い人なんかはその傾向があります)

また、ハサミが特殊な場合もあります。
(例えば、笹刃の場合です。確実に滑ります。)

さて、

この方は押し癖は全くではありませんが、問題ない範囲でちょっとだけあります。

刃は普通の柳刃ですので問題ありません。

このハサミの大きな特徴は、ハンドル。

 ・ハンドルの柄が短めだということ。

 ・ハンドルが軽いということ。

短いと手に収まりやすいし、軽ければ疲れにくい気がします。

それとは反対にデメリットもあります。

一般的にハンドルが短いと、てこの原理から切るときには力が必要になります。

また、軽いということは重みを使って勢いで切ることができないというデメリットがあります。

 

「毛がすべる」ということ

実は、はさみの研ぎの仕事で多いクレームのひとつです。

なぜ、すべるのかと言えば、毛を正確に捉えるような刃がついていないからです。

このすべる刃というのは、

・刃が鋭くない。

・動刃と静刃の噛みあわせのバランスが合っていない。

です。

そのほかにもいろいろ原因はありますが、今回のハサミは、噛みあわせのバランスに原因がありました。

このバランスと言うのは、とてもとても小さいもので、見た目ではわかりません。

なんとなく勘の世界でわかるものです。

私の場合は、はさみの開閉で「???」と感じますが、なんとなくです。

きっと優秀な理美容師さんなら、わかるんでしょう。

そうだったんだ・・・とわかるのは、砥石で研ぐときです。

砥石にあてたときに、「刃先に力が弱い」と感じます。

これを仲間うちでは、「ショクテンが高い」と言います。

「組んだときに刃先の部分が隙間があいているような感じ」です。

ショクテンが高いと刃先に力が伝わらないので、いくら良いハガネでも切れないのです。

砥石をつかって、高いのを削って、高さをベストに合わせます。

そうすると、滑らないできっちりと切れる刃になります。

閉じる