研磨実績 KIRA 30目オフセット
滋賀県からいらっしゃった美容師さんです。
「このセニングは縦向けらしいんだけど、それはいいんだけど、返り刃がすぐ出てきて困る」というお話でした。
(「返り刃」なんて言葉を聞くと、鋏に詳しい方なんだろうなあと思います)
返り刃について、後半でコメントさせて頂きます。
KIRA 30目オフセットを研ぎました
ハサミDATA
- 刃
- 30目、V溝がちょっと特殊です。
棒刃ははまぐり刃笹刃です。 - ネジ
- 出っ張りタイプです。
- ハンドル
- シンプルなオフセットです。
はさみ職人's EYE
返り刃とは、鋏を開閉していると刃の先端(刃先のことではないです)が内側から外側にめくれるようになることです。
切れない原因のひとつです。
“めくれている”という表現もします。
切れない鋏の場合、この返り刃が大きくなっています。
直接的な原因です。
特にセニングの棒刃はこのケースが多いです。
カットシザーでも返り刃が大きくなって切れなくなることがあります。
特に鋭すぎる刃などは、要注意です。
なぜ、返り刃ができるかというと、
今回の鋏の場合は、ネジが大きな原因でした。
この鋏のネジはアソビが大きく、返り刃が出やすいような開閉のクセが出やすいからです。
対策として、
ネジのアソビを小さくしました。
また、返り刃が出にくい刃付けにしました。