切れるハサミは楽しいし、美しい仕事もできる。そんな手助けが僕の仕事です。京都はさみ職人 オオタトシカズ

研磨実績 太刀国(タチクニ) 5.5インチオフセット

今回は、いいハサミです。

作られた方がお亡くなりになったそうです。

お店にきた他の方に研いでもらったら・・・

ご縁あって研がさせて頂きました。

太刀国(タチクニ) 5.5インチオフセットを研ぎました

ハサミDATA

【ハンドル】ラクダオフセット

【刃】
 動刃・・・はまぐり刃 柳刃
 静刃・・・剣刃 柳刃

【ネジ】
埋め込みタイプ

はさみ職人's EYE

裏側には「鋏職人 重野」とあります。

298-1

品川の方で、この重野さんが亡くなられ、たまたまお店にいらしたはさみ屋さんに出したところ・・・

悲しい感じで戻ってきたそうです。

よくある話しですね。

見た瞬間、とても身近に感じました。

一見どのハサミも同じように見えますが、私たち職人がハサミをよく見ると、それぞれの特徴がはっきりとわかります。

そこで、このハサミは「◯◯系」みたいことがわかります。

で。私の師匠に聞いたら、関係のある方のハサミでした。

この重野さんは、二代目だったそうです。

先代は、品川でハサミの鋼の鍛冶屋さんをされていたそうです。

鍛冶屋さんというのは、鉄を真っ赤にして、ハンマーでキンコンカンコンと叩く・・・アレです。

それもかなり腕のいい仕事で、他社を圧倒した品質のものを作っていたそうです。

その後時代は、ステンレスのハサミになります。

正確には、ステンレス鋼っていうやつで、錆びない鋼で、今のハサミの99%はこれです。

よくコバルト合金とか、数字とか英語とかの鋼は、ステンレス鋼のうちの1品種とお考えください。

ということで、

優秀なハサミ鍛冶屋さんだったのですが、ステンレス化という時代の波に押され、2代目はハサミ屋になり、品川から横浜を中心にご活躍されたそうです。

2013年夏。永眠されました。後輩鋏職人として、心よりご冥福をお祈りします。

ちなみに、

先日、「どこに出しても、断れれるハサミ」を研がさせて頂きました。

「このハサミがないと仕事にならないから、研いでもらえるだけで感謝」とおっしゃっていました。

で。その方から

「長生きして下さい」と言われました。

年齢を聞かれ答えたら、私の方が年下でした。

あと50年くらいは、生きるつもりです。ご安心を

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