切れるハサミは楽しいし、美しい仕事もできる。そんな手助けが僕の仕事です。京都はさみ職人 オオタトシカズ

研磨実績 スーパーおそらく 6インチオフセット

宮城県の理容師さんからの研ぎ依頼です。

一番の気に入っているハサミとのことです。

スーパーおそらく 6インチオフセットを研ぎました

ハサミDATA

【サイズ】6インチ。

【ハンドル】シンプルなオフセット。

【刃の刃線形状】
 笹刃ぎみ柳刃

【刃の表面形状】
 はまぐり刃

【ネジ】埋め込みタイプ

はさみ職人's EYE

何年もハサミを研がさせて頂いていると、そのハサミを見るとある程度わかることがあります。

何がわかるかというと、いろいろ・・・です(笑)

そのひとつが、どの程度ハサミに対して思い入れがあるか?です。

この理容師さんは、かなりハサミに対して思い入れがある方だと思います。

その理由は、研ぎのご依頼のハサミがみんな同じ方向の切れ味だからです。

やさしく切れる方向です。

やさしく毛を切って、その毛が羽毛のようにヒラヒラと落ちるような、やさしさです。

きっと使っていないハサミも多いのではないでしょうか。

今回のハサミは、そんな方が、一番のお気に入りというハサミです。

 

やさしく切れるということは?

やさしく切れるハサミというのは、すべるハサミです。

「はぁ???」

という声が聞こえてきそうです。

毛を全く逃さないで切れるハサミは、硬く切れるような印象が手に残ります。

ほんの僅かに毛が逃げるくらいだといいです。

どのくらいかというと、感覚で毛半分から2本くらいです。

で、その逃げ方もいろいろあります。

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今回のハサミは、

笹刃ぎみの柳刃です。

Rが強い柳刃です。

一般的に同じ刃付けをすると、笹刃ほどやさしく毛がきれます。そして毛が逃げます。

この刃の形状は、ぎりぎり優しく毛が逃げないような形状です。

ただ、使い込んだとき、刃先で毛が逃げる感覚がつよくなります。そのときが研ぎ頃になります。

で。

です。

この手のハサミが好きなひとって、、、、

まだ確認はしていないんですが、きっと、勝手に手が動いて切っている感覚になることがあるんだと思います。

ハサミを動かしている感覚がなくて、手が勝手に動いてそれを眺めている感覚です。

すごく集中できている状態ですね。

もう、ハサミとか、人間とかの区別がつかない状態だと思うんです。

このくらい集中できると、幸せですよね。

ちなみに・・・ちょっと話はずれます。

僕らの仕事って、ITとか金融とかと違って、何千万円も何億も稼ぐのって難しいです。

そういった意味では、金額としての報酬は少ないのかもしれません。

でもね。

「創る」という楽しみがあるんだと思います。

例えば、今回のはさみで、すごく集中して仕事ができるなんて、お金で買えない報酬なんじゃないなあと思います。

そうやって仕事して、お客さんに「ありがとう!」って言ってもらえるのなら、うれしいですね。

なんて事を考えて研がさせて頂きました!

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