はさみ用語集

裏スキ加工について 【プロ向け】ハサミの「裏スキ」とは?意味がない・変わらないと言われる理由と正しいメンテナンス

なぜ「裏スキをしたのに変わらない」トラブルが起きるのか?

「裏スキをした方がイイと言われて追加料金を払って頼んだのに、戻ってきたらビフォーアフターで全然変化がない……」

そんな話を聞きませんか?

裏スキとは刃の裏側の凹んでいるところ。
刃と刃の内側の凹み。

詳しくはこちら

実は、理美容師やトリマーの方々からこのようなご相談をいただくことは少なくありません。

なぜ、せっかく費用と時間をかけて裏スキをしたのに、効果を感じられないのでしょうか。

理由は大きく分けて2つあります。

 

原因1:業者の「技術不足」による失敗

裏スキは、ハサミの研ぎの中でも特に繊細で高度な技術を要する作業です。

技術が未熟な業者が行うと、効果が出ないどころか、以下のような最悪なケースを引き起こすことがあります。

  • ハサミの開閉にスムーズさがなくなり、違和感が出る

  • 無理な力がかかるようになり、1日仕事をしただけで手が激しく疲れる

  • カットの際に刃がひっかかる

  • 開閉時に「シャリシャリ」「ゴツゴツ」といった変な音がする

研ぎと一緒ですね。

裏スキの目的は、刃と刃の接触面(触点)を最適化し、滑らかな開閉と鋭い切れ味を取り戻すことです。

しかし、削る角度や深さを0.1ミリ単位でコントロールできない業者が触ると、ハサミ本来のバランスが崩れ、大切な相棒の寿命を縮めてしまう結果になりかねません。

原因2:そもそも「裏スキが必要ない状態」だった

もう一つの理由は、「そもそも裏スキをする必要がないハサミだった」という可能性です。

意外と多いです。

ハサミが切れない原因が、全体の歪みや刃先の摩耗など別にあるにもかかわらず、知識のない業者が「とりあえず裏スキをしておきましょう」と必要のない施術をしてしまうケースです。

これでは変化がないのも当然で、、、、無駄に金属を削られたハサミがかわいそう。

つまり、「裏スキで失敗しない」ためには、

今のハサミの状態を正確に見極められる診断力と、

ハサミのバランスを崩さない確かな職人技の両方が不可欠なのです。

 

裏スキは「大手術」ではなく「日々の予防」が正解

一部の業者で、裏スキは「何度も研いでハサミが劣化してしまったから、特別に施す大がかりな修理(別料金のオプションメニュー)」として扱われています。

しかし、そのあり方に疑問を持っています。

なぜなら、完全に劣化してしまってからガッツリと裏スキを行うのは、ハサミにとって負担の大きい「大手術」になってしまうから。

大手術をうけたハサミは、当然ですが、弱くなってしまうものです。

人間ならリハビリして体力回復しますが、ハサミのリハビリって、、、難しいです。

だからこそ、当店の研ぎはアプローチが根本から異なります。

 

当店が「毎回の研ぎ」で少しずつ裏スキ調整する理由

当店では、特別なオプション料金をいただく形ではなく、日々の研ぎのご依頼の中で、職人がハサミの状態を見極めながら、その都度少しずつ裏スキのメンテナンスを施しています。

人間で言えば、病気になってから手術をするのではなく、毎日の食事や生活習慣で病気を「予防」する感覚です。

毎回の研ぎで微調整を重ねることで、ハサミには以下のような圧倒的なメリットが生まれます。

  • 常に「新品同様」の滑らかな切れ味が続く 劇的な劣化を未然に防ぐため、いつでもハサミを下ろしたてのような、あのサクサクとした心地よい開閉感と切れ味がキープされます。

  • ハサミ自体が圧倒的に長持ちする(長寿命化) 一度に金属を大きく削り取る必要がなくなるため、ハサミの肉厚やバランスが保たれ、あなたの大切な相棒を何年も、何十年も長く使い続けることができます。

「ハサミをただ研ぐ」だけでなく、「ハサミの健康な状態をこの先もずっと維持する」。

これが、当店が裏スキを日常のメンテナンスとして組み込んでいる理由であり、職人としてのこだわりです。

 

ハサミの寿命を縮めないために。

具体的にハサミのどこを見て、どうなっていれば裏スキが成功している(あるいは潰れている)のかという技術的な見極めは、実は私たち職人の間でも非常に高度なノウハウであり、一般には公開できない「ブラックボックス」の領域です。

ですが、ハサミを毎日使うあなた自身が「体感できる症状」として、そのサインははっきりと存在します。

もし、お使いのハサミに以下のような症状が出ていたら、限界を迎えている(または前の業者の研ぎで潰されてしまっている)サインとなる可能性が高いです。

  • 刃先に力が伝わりにくく、刃先だけが切れない 根元は切れるのに、毛先を逃がしてしまったり、刃先での細かい作業のときに「切れる手応え」が残らない。

  • 開閉がスムーズにいかない(引っかかりや重みがある) 油をさしても、ネジを調整しても、どこか開閉にスムーズさがなく、違和感が消えない。

これらは、刃の裏側の絶妙なカーブ(裏スキ)が摩耗し、ハサミの噛み合わせのバランスが崩れている代表的なサインです。

【動画で見る】裏スキ加工の前と後での驚きの変化

ビフォー画像

アフター画像

動画をご覧いただくと一目瞭然ですが、・・・・

がが~~~~ん

全然わからないですね。

最悪・・・

だいたい、切れ味を動画で表現するなんて・・・一般人には高度過ぎる!!!


最後に:大切な相棒を、少しでも長く使っていただくために

今回は、ハサミの命とも言える「裏スキ」について解説しました。

私たちが今回この記事でお伝えしたかったのは、「今すぐ当店に裏スキを依頼してください!」ということではありません。

ただ、プロであるあなたの大切な相棒(ハサミ)を少しでも長持ちさせるための知識として、「裏スキは悪くなってからするのではなく、日々の研ぎの中で予防すればいいんだ」ということだけを知っていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。

「最近、どうも刃先の切れ味が悪いな」「開閉がスムーズじゃないな」と感じたら、それはハサミが疲れているサインかもしれません。

そんなときは、いつでもお気軽に私たち職人にご相談くださいね。

あなたの大切なハサミが、常に最高の状態でサロンワークを支えられるよう、私たちはこれからも技術を磨き続けます。

 

じゃあね~!

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