青春オイル物語2
2025.10.29 13:48

シザーズオイル完成しました。
左からオレンジ、黄色、黄緑、青、紫、赤、透明があります。
以下どうでもいいことです。
第二章:刃を育てるという儀式 ― 手の記憶と共に
1. はじまりは、一滴のオイルから
一日の終わり、静かな店内に響く“カチリ”という音。
その瞬間、あなたの手の中で働いてきた刃は、わずかに息をつくように休む。
タオルで軽く拭き、ネジの部分に一滴のオイルを落とす。
それは単なる「メンテナンス」ではない。
今日も共に戦った相棒への“ねぎらいの儀式”だ。
ハサミは、手と心に馴染むほど、応えてくれる。
そしてその時間こそが、あなたという美容師を形づくっていく。
2. ハサミは、育つ道具
ハサミは完成品ではなく、
である。
使い込むほど、手に馴染む。
音が変わり、感触が変わる。
その変化を感じ取るたびに、美容師の感性もまた磨かれていく。
「うまく切れない」日がある。
「今日は手にしっくりくる」日もある。
その波を超えていくうちに、ハサミも、あなたも、深く呼吸を合わせていく。
3. 儀式が、美容師を強くする
掃除、セーム、拭く、オイル、ケースに戻す。
わずか数分の習慣だが、それは仕事に向き合う姿勢の稽古でもある。
毎日を重ねる中で、道具を丁寧に扱う手は、自然とお客様の髪も丁寧に扱うようになる。
毎日のメンテナンスは、自分の心を整えること。
それはどんな研修やセミナーよりも、プロの技術者としての根を太くする行いだ。
4. 私たちは、あなたの“裏方”でありたい
私たちはハサミを「売る人」ではない。
育てる旅を、ともに歩むサポートメンバーでありたいと思っている。
刃が少し疲れたら、私たちが再び息を吹き込む。
重ねた年月の中で生まれた個性を壊さず、さらに輝かせるために。
ハサミを研ぎ、直し、磨き、見守る。
それが、あなたと私たちを結ぶ“静かな約束”。
5. 終章:育てるほどに、仕事は美しくなる
新品の刃は、ただの素材。
年月を重ねた刃は、あなたそのものだ。
刃の光がやさしくなっていくように、
あなたの仕事も、言葉も、所作も、やがて柔らかくなる。
それが、「刃を育てる」ということ。
そして、その時間を支えることが、私たち職人の、いちばんの誇りです。




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