ストロークカット

ストローク

ハサミ屋的にドライカット、、、についてです。

美容師さん的にではなく、ハサミ屋的にです。

ドライカットとは、

乾いた毛をきることではありません。

くどいですが、ハサミ屋的にです(笑)

ハサミを動かしながら切るカット方法です。

なので、

ストロークカットはドライカットです。

ストローク(stroke)の意味は、

振り子の動きのような反復運動のひとつの動きのことを意味。

メトロノームもストロークしていますね。

ストロークカット用ハサミは、

細身の笹刃タイプが多いです。

さらに刃付けは、

毛にひっかからないような、

“切れないように”という刃付けのリクエストが多いです。

ハサミは笹刃を使いことが多いですが、

笹刃でなくてはいけないというわけではありません。

普通の柳刃でも刃付けを気をつければ、それほど違和感無く使えます、、、、

って言っている美容師さんは多いです。

たまに、ウェット、ドライ両方いける!というハサミもあります。

その根拠があいまいなものが多いので、確認しておく必要があると思います。

確かに上手な方が丁寧により神経を使って仕事をするのであれば、問題ありません。

そうでない場合は、ウエット専用、ドライ専用のはさみを持っていたほうが確実に使いやすいし、毛に対する負担も少ないです。

意外と知られていないのが、ハサミの材質です。

ハサミにも、硬いもの軟らかいものがあります。

髪の毛の中には、とても硬い毛もあり、使い方しだいでハサミが負けてしまうこともあります。

そんなことがないように、ドライで使うハサミは特に、硬いタイプの鋼材を使ったハサミが合っています。

鋼材の話(ステンレス)

鋼材と野菜

鋼材って、ハサミの材料のことです。

もう少し詳しく説明すると、

鉄のところの材料です。

カレーライスは、じゃがいも、人参、たまねぎが混ざっているように、

ハサミの鋼も、鉄の他にいろいろなものが混ざってできあがります。

その鋼材のひとつに、「ステンレス」があります。

そもそも、

ステンレスの意味って、ステン+レスです。

ステンがレスなんです。

ステン(錆びること)+レス(ない)という意味らしいです。

「え~!たまに錆びているハサミ見るけど、、、、」っていうアナタ!

いい観察眼を持っていますね。

いくらステンレスといえど、たまには錆びます(笑)でもほとんど錆びません。

錆びないように、「クロム」という元素が入っています。

まあ、カレーに入れる調味料みたいなものです。

クロームを入れると、錆びにくくなります。

さて、ハサミに戻ります。

いまから、40.50年前のハサミのハサミをみると、裏側に「ステンレス」と刻印されたハサミをみることがあります。

(ステンレスですが、多少さびてます(笑)

これが、ステンレスです。

が、

正確には、「刃物用ステンレス」です。

同じステンレスでも、

刃をつけて切れるハサミの材料のステンレスと台所で使われているステンレス流しのステンレスがあります。

その違いは、、、

炭素です。

クロームと同じように炭素を混ぜると、刃物になります。

正確には、炭素を混ぜると、硬い鉄になり、刃物として使えます。

さらに、

これに、

モリブデンとか、コバルトとか、、、いろいろ混ぜて、、、今風の鋼が出来上がるのです。

ハサミを研ぐvs包丁を研ぐ②

前回包丁の研ぎの話をしました。

——————————————————

包丁の刃は薄いほどよく切れる

だけど、薄いと力が入らないので、逆に切れない。


 

こんな話でした。

 

ハサミの研ぎですが、似ています。

ハサミも薄くて鋭い方が切れます。

でも、薄くて鋭いほど、すぐ切れなくなります。

恐ろしいほどすぐ切れなくなります。

2,3回開閉して切れなくなるくらいです。

 

よく聞く話で、

「ハサミを研いでもらったら、すごくよく切れるんだけど、すぐ切れなくなった」

このパターンです。

 

我々のハサミはプロの道具です。

毎日使う道具だからこそ、すごくよく切れるけど、それが長続きするというのが、いいハサミ研ぎになります。

 

それはどうやって、研ぐか?ってことですが、

鋭いけど、鋭すぎないようにして、

表の刃と裏の刃のバランス、

ネジのきつさ

ソリやヒネリの加減

など、多岐にわたって気を配るようにしています。

 

なーんて、カッコいいかも知れませんが、要するに感覚なんですけどね(笑)

じゃ。また!

ハサミを研ぐvs包丁を研ぐ①

包丁研ぎ

ハサミを研ぎの仕事をしていると、

「ハサミ以外も、研いでくれますか?」と聞かれます。

「ハサミ以外も、砥げますか?」と聞かれることもあります。

基本、プロ用の理美容のハサミ(トリミングも)以外は研ぎません。

理由は、おもしろくないから(笑)です。

さて、

写真は、ヨーロッパの包丁研ぎ?です。

ヨーロッパの刃物って、あまりよく切れません。

これは、刃についている、油や皮などのカスを取り除いているところです。

それだけで、全然切れなかったのが少し切れるようになるんです。

日本人の感覚だと、少しだけ切れるくらいです。

日本の包丁の場合は、全く違います。

まず、刃を薄く尖らせます。

薄ければ薄いほどよく切れます。

しかし、硬いものには弱くなり、力が入らないので逆に切りにくくなります。

その辺の加減が、研ぎの良し悪しとも関係してきます。

さらに、、、です。

砥石で

包丁の研ぎ目を細かくします。

ざらざらなものをツルツル、、ピカピカにします。

そうすることで、

抵抗なく、キレイに包丁が入っていくようになるからです。

よく切れる包丁は切断面がキレイで、

光の反射で食材が水々しく料理することができます。

では、ハサミ研ぎの場合はどうでしょうか?

つづく

ハサミの切れ味の表現方法

切れ味

塩をなめると、しょっぱい!

飴をなめると、あまい!

塩飴の場合は、あまじょっぱい!

調味料を口に入れると、味が違います。

しょっぱいものもあれば、甘いものもあります。

ハサミも同じです。

切った時、

スパッと切れることもあれば、

ぐにゃんっ、、と切れる切れるときもあります。

ハサミの切れ味の表現は、どうのようなものがあるでしょうか?

正解とか、いいとか、わるいとかはありません。

みなさん、自由に表現していますね。

□スパスパ切れる。

 一番多い表現です。
 なんのストレスもなく、スムーズに切れるイメージです。

□サクサク切れる

 この表現も多いです。
 これもスパスパと同じように、自分の思い通りに切れるイメージです。

□ザクザク切れる

 セニングの切れ味でこんな切れ方をするのもあります。
 カット率が比較的高めのものは、ザクザクと切れます。

 カットシザーの場合は、7インチなどのハサミで、力強くザクザク、、、と言った感じですかね。
 厚切りでも力強く、、、といった印象をうけます。

□スルスル切れる

 スライドカットしやすいように、、、スルスル、、、とか、
 スルスルしすぎない程度に、、、とか
 スライドカットで、毛を滑らせて切るときにこんな表現になるようです。

□シュルシュル切れる

 これもスライドカット用のはさみでのリクエストでした。
 すべるけど、切れる、、、みたいな
 表現は自由です(笑)

□カツカツ切れる。コツコツと切れる

 粘りのある鋼のハサミで、刃が鋭いとこのように切れます。
 カツカツ感が強いと、すぐ切れなくなる刃付けの可能性があります。

□パツンッ!と切れる

 まったく毛が逃げないような感じです。
 毛が逃げず、切った瞬間毛が飛び散るような、イメージです。

□チョキン!チョキン!と切れる

 かわいい表現ですね。
 これも毛が逃げないような感覚です。
 しっかりと毛を捉えて、切り落とすイメージです。

こういったことをハサミ屋さんに話すと、
聞く耳すら持たず理解しようしてくれないかもしれませんね。

ですが、
はさみに詳しい人だと、
きちんと話を聞いて、要望に応えてくれます。

それぞれ、刃付けや刃の形、材質や作りで微妙に変わることがわかるからです。

ただ、こういったことを海外の人に話すと、理解されないようです。

それだけ、日本人の感覚が細かいということなのでしょう。

鋏の産地の話(日本編②)

職人の背中

前回、日本全国にハサミメーカーがあるということを書きました。

全国にハサミメーカーがあるのですが、

ハサミの材料屋さんとなると、限定されてきます。

この材料というのは、

・ただの刃物としての鉄板

または、

・その鉄板をハサミの形に切ったもの

です。

このハサミの形に切ったものを更に、削りだして刃をつけて、磨き上げて切れるようにします。

で材料屋さんですが、

ざっくりと、

山形 新潟 福井 島根 岐阜 三重

の会社を耳にします。

それぞれの特徴は、、、なんて言うと、あまりにマニアックになりすぎるのでやめておきます。

ちなみに、

どんなに素晴らしい鋼を使っていても、

作りがいまいちの場合、全然切れません。

かと言って、

素晴らしい作りであっても、鋼がよくないと安っぽい切れ味になってしまいます。

では、なにで選べばいいんだ?

なんていう、質問が出そうですが、

材料もよくて、作りもよくて、、、アフターもいいものがいいです。

わかりにくいですが、それぞれバランスがいいものがいいと思います。

鋏の産地の話(日本編①)

日本地図

初めてお会いする方で、、

「オオタと申します。

 はさみ職人をしております」

というと、すごい喰い付いて来る方がいらっしゃいます。

刃物が好きな方です。

すると、

「ああ、関西では『大阪の堺』が有名ですよね。

 ハサミも有名なんですかね。」

なんて言われます。

日本には昔から刃物が有名な地域があります。

そのひとつが、「大阪の堺」

ほかに、「岐阜の関」「新潟の燕三条」です。

で、

ハサミは?

理美容のハサミは?

ってことになると、

バラバラです。

 

昔は、

刃物を作ろうとすると、

近くに鉄が取れる鉱山が必要でした。

(まあ、鉄が取れれば山でなくても、川でもいいです)

 

その鉄を溶かすための火が必要です。

炎

火を燃やし続けるために、木材とか石炭などの燃料が豊富でなくてはなりません。

(昔は、薪ですね。少し田舎なら森が近くになるだろうから、どこでもよかったのかも。)

 

さらに

刃物を締めるための、きれいな水があって、

(川が近くに流れているのが理想です)

 

 

砥石があって、、、

みたいな必要な要素が必要になります。

(いくら業務用とはいえ、すぐなくなんないから、行商の人から買っていたんですかね)

 

つまり、

いい刃物を作るには、鉄と燃料と水と砥石ってことになります。

今の日本なら、ネットで注文するれば、トラックで届けてくれます。

が、当時はトラックもなく、、、近くにないと成り立たない産業でした。

いまは、

日本国内なら、特に問題なく揃えることができるからでしょうか。

全国にハサミメーカーはあります。

鋏の産地の話(世界編)

世界のハサミ

世界の理美容の鋏はどこで作られているのだろうか?

ちなみに

世界的に有名な刃物の産地は、日本とドイツ。

では、理美容の鋏は?

日本に入って来ているハサミでは、

・ドイツ

・韓国

・中国

・台湾

・バングラディッシュ

・オーストラリア

・イタリア

などです。

ドイツのハサミでは、ヘンケルという名前のメーカーが有名です。

包丁とかカミソリとかもやっていて、日本に現地法人を構えて、きっちりと仕事していますね。

韓国のハサミは、最近のものは精度が良くなってきています。

日本と比べると、切れ味や精度は全然違いますが、見た感じはキレイです。

ブルーが好きな国柄なのか、ブルーのネジのものをよく見ます。

台湾のハサミは、中国より丁寧に作られているという印象です。

では、中国は、、、

雑な作りです。

作りを見ると、あまり切れるハサミを作ろう!という気持ちを感じません。

とはいえ、一時期よりは良くなってきています。

特に、きれいに磨け!といわれているか、気合の入った磨きを感じます。

世のハサミで、10000円くらいのものは、中国製かも。

ちなみに私共にも売り込みにいらっしゃいます。

そのときの価格はスゴく安いです。

あと、バングラディッシュ。

意外と知られていませんが、かなり刃物に力を入れていると思われます。

いろいろ調べると、

このバングラディッシュのある地域で刃物産業が盛んです。

そこは、

国境付近で、

戦争がよくあるところで、

その戦争のたびに国が変わるようなところです。

そのため、国に頼ることはせず、自分たち(自分たちの地域)で頑張る必要があるそうです。

その頑張りを刃物にしています。

アメリカや中国、アフリカまで、頑張っているようです。

作りの精度は、今のところ、いまいちです。

日本では難しいでしょうが、彼らのハングリーさは、すごいので将来はわかりません。

イタリアのハサミは、アートなものでした。

見栄えが工業製品というよりは、絵画のような味わいのあるものでした。

持ち主いわく「見た目で買ったけど、全然切れない。」らしいです。

オーストラリアのハサミっていうのは、大きかったです。

勝手な想像で、

オーストラリア=ひつじ みたいなイメージを感じるハサミでした。

最後に日本のハサミですが、

ぶっ飛んで、いいです!

トカゲと恐竜くらいの差があるかもしれません。

いや、

正確には、

トカゲとワニくらいの差かなあ・・・

同じ理美容ハサミという枠に入れてはいけないと感じるほど、いいですね。

小指掛け(脱着式・ネジ式)

ハンドルがメガネの指掛けは、ネジ式になっています。

そのため、

不要であれば、

ひねって取り外すことが可能です。

また、

使い込むと

そのネジが馬鹿になって、

簡単にとれてしまうようになります。

そんなときでも、

新しいものをとりつけると、取れにくくなります。

小指掛け、長さ

写真をみてください。

いろいろな大きさのものがあります。

真ん中のものがいわゆる「普通」です。

長いものはほとんど見かけませんが、

短いものを使っている方は、意外と多いです。

ちなみに、、、

指掛けで多いトラブルが、

「気がついたら、取れてしまった!どっかに行ってしまった!無くなった!」

です。

無くなったら、新しいものを買って取り付ければいいです。
(たぶん1000円くらいです)

が、

それも

面倒なので、

買うときに、溶接で動かないようにしてもらうといいです。

溶接でなくても、接着剤で固定してもらっても問題無いです。

ちなみに、

接着剤と言ってもいろいろあります。

実は、金属同士をくっつけるのは、かなり難しいです。

なので、

普通の瞬間接着剤なんかだと、一応くっつきますが、取れやすいです。

で、

更に

「それ用」のものがありまして、、、

使い方をひと工夫すると、取れにくくなります。

しかし、それでも道具を使えば、簡単に取れます。

で、、、

最近は、さらに強力な「それ用」のものがあります。

科学の進化!なめんなよ!レベルです(笑)

開発したひと、すごいです!!!

ってことで、

指掛けはいろいろなものがありますよ!

っていう話と、

接着剤もいろいろありますよ!

っていう話でした  (^^)

小指掛け(しょうしかけ)とは

小指掛け(しょうしかけ)

指掛けのことです。

小指をかけるところです。

赤ちゃん指をのせるところです。

ここに指をのせて、軽く力を入れると安定して鋏を持つことができます。

安定させてもつことができると、

狙ったところの毛を狙った通りに切ることが出来ます。

つまり思い通りに切れるようになります。

(当たり前ですが、、、)

意外と知られていないことですが

指掛けは無くてもいいです。

ない方が使いやすいという方もいます。

そういったケースは、指掛けをとりましょう。

上の写真の指掛けはネジタイプです。

指で掴んでねじってとります。

写真の下の方は、削ってとります。

これはハサミ屋さんに改造してもらいます。

ハサミのネジの良し悪しとは、

ハサミのネジの良し悪しですが、いろいろあります。

まず、

ネジである以上、

1.きちんと締まること!

当たり前ですね。

長く使っていると、緩みやすくなります。

悪いネジの場合、きちんと絞まらないということはほとんどありません。

が、早く緩みやすくなるものはあります。

次は、

2.アソビが少ない。

このアソビというのは、

自動車のアソビと同じ意味です。

ハンドルの場合なら、

ほんの少しハンドルをまわしても、曲がりません。

ブレーキだって、

少しだけ踏んでも、ブレーキを掛けられませんね。

この”少し”がアソビです。

車の場合はアソビがあるといいですが、

ハサミのネジの場合は、

アソビがあると、思うように動いてくれないので、

疲れます。

このハサミは、アソビが少なくて、いいです。

アソビが少ない

これはどうでしょうか?

すき間が広いですね。

アソビが大きい

PS.ピンク矢印は、蚊です。(^^)v

ハサミのネジの良し悪しとは、②

前回、良いネジは、

1.きちんと締まる(ゆるみにくい)

2.アソビが少ない

と書きました。

ハサミのネジの良し悪しとは

では、

アソビが大きいとどうなるのか?

こうなります。

アソビが大きいネジ

刃先を見てください。

開いていますね。

これは、ネジはきちんと締めています。

わざと、

刃先を開かせようとしました。

だから、開いています。

ですが、

アソビの少ないネジはこんなに開くことはないのです。

今回の写真は、

わざと刃先を開かせようとして、

そのようになりましたが、

通常使っているときは、このような状態になることはないですね。

しかし!

です。

ほんのわずかに

変な力が入って、

ほんのわずかに

刃先が開かないまでも、

開きそうになったとしたら、

どうでしょう?

そのときは、切れるけど、ひきちぎるように、切れない、、、、

となります。

つまり、

アソビが大きいと、

切れなくなるのが早いということになります。

もちろん、いい切れ味が安定しないということもありますね。

シザーなのか?シザースなのか?シザーズなのか?

ハサミを英語で、

scissors

と書きますね。

中学を卒業して何年もたちますが、

苦手な単語です(笑)

最後の”s”は、複数の”s”で、

「ハサミは刃が2つの重なりなので、

 複数の”s”がついているんですよ!」

と習った気がします。

で。

理美容のハサミって、

特に美容師さんの、

ベースカットに使うハサミって、

「しざー」って言うことが多いじゃないですか!

(私も言いますが、、、)

中には、

ちゃんと、

複数形の”s”をつけて、

シザースとか、

シザーズとか、

言う方もいます。

正確には、

なんて発音するのだろう?って思っていました。

で、

調べたら、

ちょうどいいHPがありました。

http://ja.forvo.com/word/scissors/#en

こちら。

複数の方が、

scissors

を発音してくれています。

よーく聞くと、

みなさん、

複数の”s”が

発音していました。

シザーズのひとも

シザースのひとも、

シザーを大きい声で、

最後のsは小さく言っていました。

どっちでも良さそうです。

ちなみに、

オオタに言う時は、

「しざー」もしくは、「はさみ」で言って頂けると、

きちんと聞き取ることができます。(笑)

笹刃(ササバ)とは

笹刃とは、笹の葉みたいな形の刃のことです。

笹の葉って、

パンダが好きな、あの笹です。

笹の葉

柳の葉と比べて、少し太いのが特徴です。

柳の葉

で、

太いってことは、

刃線のRが強いということです。

この刃線のRが強いハサミを笹刃といわれています。

この刃線のRを数字で表すと、、、、○○R

そういった基準がはっきりあると、いいのですが、

実際はありません。

なんとなく、「この刃線はカーブが強いから、笹刃だ!」ってことになっています。

で、

とは言っても、

よくわからないだろうなあ、、、

ってことで、

こんなものをゲットしました。

Rを作るの定規

デカすぎですね。

少し小さくして、
Rを作るの定規

本当はこういうので、数字で表したかったんですが、

写真だと歪んで見えるので、よくわからなくなっていましました。

ごめんなさい。

さてさて、

笹刃ですが、

とりあえず、

刃元がえぐれていない幅広タイプと刃元がえぐれているプロペラタイプがあります。

笹刃、太め

笹刃、プロペラ状

両方笹刃といわれています。

ハンドルのコブについて

ハンドル選びには、

いろいろ検討するところがあるかと思います。

そのうちのひとつがコレ。

コブです。

こぶ

写真のように山になっているところをコブと呼びます。

ということで、この写真のハンドルは、コブのあるオフセットです。

または、コブがあるということで、

このハンドルをラクダと呼ぶこともあります。

つまり、ラクダのオフセットです。

メガネにもコブのあるものがあります。

また、

ラクダのオフセットのハンドルを同じようにつけて、

ラクダのメガネにすることも可能です。

例えば、こんな感じです↓

メガネのラクダ

コブがあると手に馴染みやすく持ちやすくなります。

が、

ですが、

かといって、

あっても、なくても

あまり気にならないという方も多いです。

セニングなら、

ほとんど気にならないのではないでしょうか。

デザイン重視といった面もあるかもしれません。

逆刃(ギャクバ・サカバ)のセニングのいいところ②

逆刃(ギャクバ・サカバ)のセニングのいいところ

逆刃

手で持った時クシ刃が上だと逆刃です。

逆刃は、

・ラインが出にくい

・抜けがいい

と言われることがあります。

反対もあります。

逆刃は、

・ラインがでるので、使いにくい

・ひっかかる

と言う方もいます。

なぜでしょう?

それは、使い方の違いかと思います。

言い換えれば、使い慣れているかどうか?ということかと思います。

当たり前ですが、

使い慣れている方が圧倒的に使いやすいです。

それは、

ラインが出ないような使い方が経験上できること

だったり、

ひっかかりにくいような、ヌキ方を知っている

ということです。

それは、

知らず知らずのうちに、

(セニングに詳しくてよく知っている人もいると思います)

そのセニングのクセや使い方を習得してしまうためだと思います。

セニングには、

ひっかからない(ひっかかりにくい)使い方があります。

それは、

毛を切るためにハサミを閉じたあと、

棒刃を毛から離すように抜くといいです。

離すほどいいです。

クシ刃に毛を押し付けるくらいでもいいですし、

90度まで開いて抜くともっといいです。

それでも、

ひっかかるのであれば、

それは、ハサミ自体が問題有りです。

ハサミに詳しいハサミ屋さんに見てもらうといいですね。

逆刃(ギャクバ・サカバ)のセニングのいいところ

ギャグバのセニングのいいところ。

ギャグが冴える・・・・・・・・・・・・・・ときもある(笑)

こんにちは

オオタです。

人生には、暑い時も、極寒の時もあります(笑)

さて

セニングには、

正刃(せいば)と逆刃(ギャクバ・サガバ)があるのをご存知でしょうか。

逆刃は、閉じたときに棒刃が上にくるセニングです。

写真はこちら。

逆刃

逆刃の反対は正刃のセニングです。

逆刃と書いて、ギャクバと呼ぶことが多いです。

まれにサカバと呼ぶこともあります。

「逆刃って、どうやってつかうのですか?」

これの答えは、普通に使います。です。

正刃のセニングと同じように、普通に使います。

棒刃が下にくるので、刈り上げのぼかしなどにつかいやすいようです。

鎌刃(カマバ)のハサミについて

かまばのカマって、

草刈りに使うカマなんです。

三日月になっている刃のカタチを言います。

1

真ん中に凹みがあるのが特徴ですね。

理美容のハサミには、ほとんど使われません。

切れ味がスゴく固いからだと思います。

ごくたまに、

動刃も静刃も鎌刃になってしまったハサミを見ますが、

これは、

鎌刃にされたしまった・・・ハサミです。

つまり、

不十分な研ぎの犠牲です。

鎌刃のはさみでも、

鎌×笹の組み合わせのハサミもありますね。

こちら。
鎌刃

このハサミは、されてしまった・・・という

不十分な研ぎの犠牲ハサミではないですね。

とはいえ、

精度がアバウトなところがあるので、

人気はないようです。

植木用のハサミで見ることが多いです。

固い枝木を切るには、いいんですかね。

カット率を決めるのに資格が必要?

セニングのカット率とは、、、

10%とか、20%とか、、、

で表すものです。

詳しくはこちらを。

試験」

では、問題。

誰がどのように決めているのでしょうか?

1.厚生労働省が鋏製造法により、カット率を決める。

2.国の認定団体により、検査員がカット率を決める。

3.法律に合格した検査機で、カット率を決める。

4.国の試験に合格した、鋏調整師によりカット率を決める。

5.一部の優秀な鋏研師により、カット率を決める。

6.ハサミメーカーの社長が、ハサミを見て決める。

7.ハサミの営業が、勘で決める。

回答例が、7つもあって、難しいですか?

これって、意外と知られていない事実ですね。

正解は、

6と7

です。

ざっくりとしています。

アバウトです(笑)

そのため、

A社のセニングと、

B社のセニングと

があったとして、

両方共カット率20%だ!!

と思ったとしても、

A社がカット率30%

B社がカット率15%

なんてことも、

あります。

ですので、

セニングを選ぶときは、

実際に使わさせて頂けるところや

返品や交換を対応しているところから、

選ぶといいと思います。

カット率~刃の状態で決まります。

セニングのカット率は、

1.くし刃の数

2.くし刃の先(V溝)

3.刃の状態 

で決まります。

今回は、

3.刃の状態

についてです。

刃の状態というのは、

「切れる刃か?どうか?」

ということです。

例えば、

カット率25%のセニングの場合、

感覚として、

切れない刃の状態だと、

15%くらいまで下がります。

反対によく切れると、30%くらいです。

これは刃付けのテクニックでもあります。

わざと、

カット率を下げて、

抜け重視の刃付けをするということもあります。

「ちょっと待ったぁー」

では、そももそカット率ってなんだ?

どうやって見決めるんだ?

って思った方。

鋭いですね!!

カット率を決めるに資格が必要か?

カット率~くし刃の数で決まります。

前回、セニングにはカット率というものがあり、カット率は櫛刃の数で決まると説明しました。

見ていない方は、こちらのカット率とはを参照ください。

【くし刃の数】

櫛刃の数は、「○○目」と表します。

例えば、30目とか・・・です。

これは、櫛刃に溝が30ありますよ!ってことです。

一般的に30目より、40目の方がカット率が高いものです。

(例外も多々あります)

ちなみに、

間違いやすいのは、

くしが30目だからと言って、カット率30%ではありません。

ご注意を!

40目だから、40%ということもありません。

勘違いしている人が、

10人に一人くらいいるので、

後輩くんたちに教えてあげてください。

(先輩に教えると、角がたつので、ひかえましょう(笑))

(会話例)

「おまえ、30目のセニング、カット率30%だと思っていないか?

30目っていうのは、単に溝が30ありますよっていうことだぞ!」

って具合です。

カット率とは

カット率とは、どのくらい間引くか?%で表現されます。

セニングでどれくらいすくことができるか?です。

セニングにはカット率があり、○○%で表示される

セニングにはカット率があり、○○%で表示される

例えば、こんな会話例になります。

—————————————————————–

美容師さん「いまのセニングは、もっと取れるものが欲しいです。」

ハサミ屋さん「いまのセニングのカット率は、どのくらいですか?」

美容師さん「たしか、10%だと思います。」

ハサミ屋さん「ということは、カット率が25%くらいがいいですかね。」

美容師さん「そうですね。カット率20~30%くらいでいいセニング、ありますか?」

—————————————————————–

カット率10%というのは、このセニングで切ったとき、毛100本のうち10本切れると言う意味です。

カット率25%というのは、毛1,000本のうち、250本切れるという意味です。

カット率50%というのは、一回閉じて、毛10,000本のうち、5,000本切れるという意味です。

このカット率を決める要素は、

・くし刃の数

・くし刃の先(V溝)

・刃の状態 

です。

なぜ、押切は良くないか?

以前、押切は良くないと説明しました。

なぜ、よくないのか?

はさみ職人の立場から、

言います。

1.すぐ切れなくなる

無理な力が加わることとで、刃のヘリが早いです。

切れなくなるスピードは、

普通の使い方の何倍にもなると思います。

2.そもそも切れない。

いろいろなハサミがありますが、

クセの強いハサミの場合、押して切ると全く切れないようなものもあります。

この場合の切れないと言うのは、

・毛がすべる、逃げる

・毛が折れる

などの症状です。

この状態では、当然毛を痛めていることにもなります。

3.手を痛める

無理な力が入っているので、肩こりや腰痛の方が多いです。

腱鞘炎で仕事を休んだとか、

手術入院したとか、、、

腱鞘炎の方のハサミは、研ぐときに見るとはっきりと押切の傷があります。

できることなら、

直せるといいんですが、

無理なら、ほどほどに留めることができるといいですね。

裏スキとは、

刃の内側のへこみのこと。

赤のところが裏スキ。「いい裏スキ」「裏をすく」と言った使い方をする

ハサミの作りの良し悪しはこの裏スキで決まる。

この部分を作るのに「裏をすく」「ウラスキをする」という言い方をします。

ハサミの良し悪しが決まる重要なポイントのひとつです。

裏スキのメリット、

・刃の強度を上がる。
 (刃先まで力が伝わりやすい)

・開閉がスムーズになる。

・研いで切れ味が復活しやすくなる。

刃線にあわせて、ひねるように深く入っているのが、いいものです。

いい刃物というのは、ぱっと見て、直線で出来ているようですが、まっすぐなところはなく、曲線で作られています。曲線や凹みを入れることによって強度をより保っているのです。

一本ものの刃物(高級な包丁・のみ・かんな・彫刻刀)などにも、ウラスキはあります。

ちなみに我が家の普通の包丁にはありません。出刃包丁にはあります。

「ヒゾコ」と言われることもあるようです。

鋼材の話(440A)

440Aの説明

前回、440Cの説明をしました。

440Cは、

規格で決まっている鋼材です。

他に440Bがあって、440Aっていうのもあります。

そのAです。

桃は、りんごに較べて柔らかいです。

440Aは、440Cと較べて柔らかいです。

 

何が言いたいのか?

柔らかいです!

↑これがいいです(笑)

 

それは、毛に負けるような柔らかさと、ハサミの開閉で刃が磨り減ってしまうような柔らかさです。

440A=中国製 とは限らないのでしょうが、

僕の中では考えています。

プロの方には物足りないかもしれませんね。

 

でも、シロウトにはいいかも。

鋼材の話(440C)

440Cは規格です。

鋼材って、

刃の材料のことです。

今回は規格で決まっている、440Cという鋼材について書かさせていただきます。

パソコンのコネクタなんかも規格で決まっていますよね。

そういう一般的な鋼です。

例えば、

インターネットでハサミをチェックすると、

お買い得のハサミが、

440Cという材料を使っていると

書いてありました。

「耐摩耗性に優れ、刃物としての最高峰の鋼、440Cで作られています」

それを見て、

他のハサミ屋さん、ならびにオオタはどう思うか?です。

440Cは最高の鋼というと、言い過ぎです。

一般的には、ふた昔前の鋼です。

とはいえ、悪いものというと、そうでもなくて、

僕としては、好きな切れ味です。

ただ、永切れを考えた時、最近のハサミの材料と較べると、若干劣ります。

そのせいか、

30年以上前のハサミとか、

中国のハサミなどによく使われています。

この440Cというのは、

規格で決まっている鋼材です。

ただ、同じ440Cでも焼入れなどで、全然別物になります。

同じカレーライスでも、おいしいカレーとそうでないものがあるような感じです。

そして、

440Cは、ステンレスの刃物です。

440Aというものも、研いだことがあります。

440Bというものあるようです。

これは研いだことがありません。

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